勉強法

科学的に効果的な勉強法 26-30

自分の考えも加えていく。

26. 状態依存記憶の活用(State-Dependent Memory)- 本番と「同じ状態」で学ぶ

  • 科学的根拠: 記憶は、それが作られた時の心身の状態(感情、覚醒レベル、身体的感覚など)と結びついています。記憶を思い出す際は、学習時と同じ状態に近いほど、スムーズに引き出せるという性質があります(状態依拠効果)。
  • やってはいけないこと:
    • 常にリラックスした静かな環境で、ハーブティーを飲みながら勉強し、本番の極度の緊張状態・静寂・不快な環境に初めて直面する。
  • 公認会計士試験での具体的な実践方法:
    • 本番環境のシミュレーション: 直前期には、答練や模試を「本番と全く同じ条件」で受けることが極めて重要です。同じ起床時間、同じ服装、同じ飲み物(水やお茶)、静寂、定められた時間など、五感で感じる環境を完全に再現します。
    • カフェイン摂取のコントロール: もし試験当日に集中力を高めるためにコーヒーやエナジードリンクを飲む予定なら、答練や模試の際も同じタイミングで同じものを摂取する練習をします。これにより、カフェインによる覚醒状態と学習内容を結びつけます。
  • 自分の考え
    • 本番でコーヒーを飲むことがある場合は普段の勉強時もコーヒーを飲む。

27. 嗅覚の利用(Using the Sense of Smell)- 特定の香りを「記憶の引き金」にする

  • 科学的根拠: 五感の中で、嗅覚だけが、情動や記憶を司る脳の領域(扁桃体や海馬)に直接情報を伝達します。そのため、香りは他のどの感覚よりも強く、鮮やかな記憶を呼び覚ますトリガーになり得ます。
  • やってはいけないこと:
    • 勉強中に様々な強い香りが混在する環境に身を置く(アロマ、食事、芳香剤など)。
  • 公認会計士試験での具体的な実践方法:
    • 香りのアンカリング: 集中力を高めるとされる特定の香り(例:ローズマリーやペパーミントのアロマオイル)を選びます。そして、「管理会計の原価計算を勉強する時だけ」その香りを嗅ぐ、というルールを徹底します。
    • 本番の試験中、その論点で詰まった際に、ハンカチやティッシュに一滴垂らしておいたその香りをそっと嗅ぎます。すると、その香りと共に学習した記憶が呼び覚まされ、解答の糸口が見つかる可能性があります。心理的なお守りとしての効果も期待できます。
  • 自分の考え
    • 休憩中に香水を嗅ぐことは有効かもね。

28. プレッシャー・トレーニング(Pressure Training)- 意図的な「負荷」でメンタルを鍛える

  • 科学的根拠: 本番のプレッシャー下でパフォーマンスが低下するのを防ぐには、平時から意図的にストレスをかけた状態で練習し、スキルを自動化(無意識でも使えるレベルに)しておくことが有効です(ストレス免疫訓練)。
  • やってはいけないこと:
    • 常に完璧に静かで快適な環境でのみ演習を行い、「本番ではきっとうまくいくはず」と根拠なく楽観視する。
  • 公認会計士試験での具体的な実践方法:
    • 時間的プレッシャー: 答練を解く際に、意図的に制限時間を5分〜10分短く設定して解いてみます。これにより、時間的切迫感への耐性がつき、本番で時間が足りなくなった際も冷静に対処できます。
    • 環境的プレッシャー: たまには、少しざわついた予備校のラウンジやカフェなどで、集中して問題を解く練習をします。これにより、本番で隣の受験生の貧乏ゆすりや咳などが気になりにくくなります。
  • 自分の考え
    • 日々問題を解くときは時間も記録しよう。

29. タイムボクシング(Timeboxing)- 「時間」で区切り、完璧主義の罠を断ち切る

  • 科学的根拠: 「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する(パーキンソンの法則)」という法則があります。これを防ぐため、タスクの完了を目標にするのではなく、「そのタスクに使う時間」をあらかじめ決めてしまうのがタイムボクシングです。
  • やってはいけないこと:
    • 「企業法のこの1章を完璧に理解するまで次に進まない」と決め、気づけば半日以上を費やしてしまい、他の科目の学習計画が崩壊する。
  • 公認会計士試験での具体的な実践方法:
    • スケジュール帳に「箱」を作る: 「企業法を勉強する」ではなく、「9:00〜11:00:企業法 第5章のテキスト読みと問題演習」と、カレンダーに時間の「箱」を確保します。
    • そして、11時になったら、たとえ途中であっても一旦終了し、次の「箱」のタスクに移ります。これにより、特定の科目に時間を使いすぎるのを防ぎ、全科目をバランス良く進めることができます。完璧主義に陥りがちな受験生には特に有効です。
  • 自分の考え
    • 予めある程度細かい計画を立てることが大事。そして1日の終わりに差異を確認。もしかすると、試験勉強で一番大事なのは、勉強じゃなくて、勉強を始めるときの計画とその日の差異を日々確認して前進し続ける作業なのかもしれない。

30. 身体知の活用(Embodied Cognition)- 「体で覚える」という感覚を信じる

  • 科学的根拠: 「知性とは脳の中だけの働きではなく、身体的な経験や動きと深く結びついている」という考え方です。身体を動かすことは、思考を助け、記憶を強化する働きがあります。
  • やってはいけないこと:
    • 講義を聴く時も、テキストを読む時も、常に椅子に座って微動だにせず、完全に受動的な姿勢でいる。
  • 公認会計士試験での具体的な実践方法:
    • 歩きながら暗記(Pacing and Reciting): 監査基準や会社法の条文など、暗記が必要な項目は、部屋の中を歩き回りながらブツブツと声に出して覚えます。リズミカルな運動が記憶を助ける効果があります。
    • ジェスチャーを使う: 複雑な概念(例:連結子会社と関連会社への影響の違い)を自分に説明する際に、手や指を使って関係性を図示するように動かします。思考が整理され、理解が深まります。
    • 手で書く: デジタルノートは便利ですが、特に図や表、複雑な計算過程は、実際に手を動かして紙に書くことで、脳のより多くの領域が活性化し、記憶に定着しやすくなります。
  • 自分の考え
    • やっぱり運動や図解は大切だよね。

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