自分の考えもまとめたい。
21. 成長マインドセット（Growth Mindset）- 「才能」ではなく「努力とプロセス」を信じる力
- 科学的根拠: スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授が提唱。「人間の能力は生まれつきで固定されている（硬直マインドセット）」と信じる人より、「能力は努力や学習によって伸ばすことができる（成長マインドセット）」と信じる人の方が、困難に粘り強く取り組み、最終的により高い成果を出すことが証明されています。
- やってはいけない考え方:
- 答練の結果が悪かった時に「自分には会計士の才能がないんだ」と結論づける。
- 苦手な論点に対し「自分は数学が苦手だから」と、挑戦する前から諦める。
- 公認会計士試験での具体的な実践方法:
- 言葉を変える: 「できない」と感じたら、「まだできないだけ」と心の中で付け加える癖をつけます。
- プロセスを褒める: 結果だけでなく、自分の努力の過程（プロセス）を認めます。「今日の答練は点数が良かった」だけでなく、「毎日コツコツ間違いノートを見直した努力が、この点数に繋がった」と考えることで、「努力すれば成長できる」という信念が強化されます。
- 自分の考え
- 努力すれば成長できると信じ続ける。
22. ピア・プレッシャーの健全な活用（Leveraging Peer Pressure）- 「仲間との約束」が背中を押す
- 科学的根拠: 人間は社会的な生き物であり、他者との約束や所属集団内での評判を保ちたいという強い動機を持っています。この「良い意味でのプレッシャー」を利用することで、自分一人の意志力だけに頼るよりも、はるかに高い確率で行動を継続できます。
- やってはいけないこと:
- 誰にも目標を告げず、一人きりで勉強する（いつでも誰にも知られずに挫折できる状況を作る）。
- 公認会計士試験での具体的な実践方法:
- 公に宣言する: 予備校の友人やSNSなどで、「今週中に管理会計のテキストを1周する」「次の答練で8割取る」など、具体的な目標を宣言します。
- 進捗を報告し合う: 勉強仲間と、「毎朝9時に、前日の学習内容と今日の計画を報告し合う」といったルールを作ります。他者の目があることで、サボりにくくなり、学習ペースを維持する強力な強制力となります。
- 自分の考え
- 目標を公表して不特定多数の多くの人に擬似監視してもらう。勉強日記を公開できる環境を用意する。
23. 報酬の自己設定（Self-Administered Rewards）- 脳に「ご褒美」を与え、行動を強化する
- 科学的根拠: ある行動（勉強）の直後に、快感をもたらす報酬が与えられると、脳はその行動を「良いこと」と学習し、再びその行動を取りやすくなります（オペラント条件付け）。長期的な学習において、モチベーションを維持するための有効な手段です。
- やってはいけないこと:
- ひたすらストイックに勉強だけを続け、一切の楽しみを禁じる（勉強が「罰」のような苦行になり、やがて燃え尽きる）。
- 公認会計士試験での具体的な実践方法:
- 「If-Then」ルールでご褒美を設定: 「もし今週の学習計画を完璧にこなせたら、週末に大好きなケーキを食べる」「もしこの3時間の集中学習を終えたら、その後に好きな動画を1本だけ見る」というように、明確な条件とご褒美をセットにします。
- ご褒美は、努力に見合った、ささやかなもので十分です。大切なのは、ルールをきちんと守り、目標を達成した自分をきちんと認めてあげることです。
- 自分の考え
- ささやかなご褒美を準備。1週間勉強を頑張ったら映画を見る、スイーツを食べるなど。
24. マインドフルネス瞑想（Mindfulness Meditation）- 「集中力」そのものを鍛えるトレーニング
- 科学的根拠: マインドフルネス（「今、この瞬間」の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること）の実践は、注意散漫になるのを防ぎ、集中力を高め、ストレスを軽減する効果が脳科学的に証明されています。注意力を司る前頭前野の働きを活性化させます。
- やってはいけないこと:
- 勉強中にすぐ他のことを考えてしまう自分を「集中力がない」と責めるだけで、具体的な対策を講じない。
- 公認会計士試験での具体的な実践方法:
- 1日5分から始める: 静かな場所で座り、ただ自分の呼吸に意識を集中します。考えが浮かんできたら、それに気づいて、またそっと呼吸に意識を戻します。これを繰り返すことが「注意の筋トレ」になります。
- 専門のアプリ（CalmやHeadspaceなど）やYouTubeの誘導瞑想などを利用するのも良いでしょう。試験本番で過度な緊張や思考の逸脱に襲われた際に、自分の意識を「問題用紙」に引き戻す強力なスキルとなります。
- 自分の考え
- 瞑想する時間を必ず確保する。5-15分。
25. 目的の再確認（Revisiting Your "Why") - すべての努力の源泉に立ち返る
- 科学的根拠: 人間を最も強く突き動かすのは、罰や報酬といった外的動機ではなく、「自分自身の価値観に基づいた、意味のある目的」という内的動機です。なぜこの険しい道を歩み始めたのか、その「原点」を定期的に思い出すことは、枯渇しかけたモチベーションを再燃させる最も強力な方法です。
- やってはいけないこと:
- 日々の膨大な暗記や計算に追われ、自分が何のために勉強しているのかを見失ってしまう。
- 公認会計士試験での具体的な実践方法:
- 「なぜ公認会計士になりたいのか？」を書き出す: 「社会に信頼を与える専門家になりたい」「グローバルに活躍したい」「経済的に安定した豊かな人生を送りたい」など、あなたの動機を紙に書き出し、勉強机の前に貼っておきます。
- 勉強が辛くなった時、スランプに陥った時、その紙を読んでください。日々の細かい勉強は、この大きな目的を達成するための「手段」に過ぎません。目的地の輝きを思い出すことで、足元のぬかるみを乗り越える力が湧いてきます。
- 自分の考え
- 動機をしっかりとメモに残す。