勉強法

科学的に効果的な勉強法 6-10

自分の考えも整理したい。

6. チャンキング(Chunking)- 情報を意味のある「塊」にする

  • 科学的根拠: 人間の短期記憶(ワーキングメモリ)が一度に処理できる情報の量には限界があります(約4〜7要素)。関連する情報を意味のある「塊(チャンク)」にまとめることで、この限界を超えて、より多くの情報を効率的に記憶できます。
  • やってはいけない勉強法:
    • 膨大な連結会計の修正仕訳や、企業法の長い条文を、意味の区切りなく丸暗記しようとする。
  • 公認会計士試験での具体的な実践方法:
    • 簿記: 連結決算の手続きを「①投資と資本の相殺消去」「②のれんの算定」「③非支配株主持分の算定」「④成果連結の消去」のように、大きなプロセスごとに塊で覚える。
    • 企業法: 会社法の条文を「株主総会の招集手続き」「取締役の義務と責任」「株式の種類」といったテーマごとにグルーピングして整理する。
    • 監査論: 監査手続きの全体像を「計画→リスク評価→リスク対応→報告」というフェーズで捉え、各フェーズにどんな手続きが含まれるかを整理する。
  • 自分の考え
    • テキストの目次だけをみて、一人で講義を始めるという学習法は有効ということになるな。

7. 具体例の活用(Concrete Examples)- 抽象を具体に変換する

  • 科学的根拠: 脳は、抽象的なルールや定義よりも、具体的でイメージしやすい物語や事例の方をはるかに記憶しやすい性質があります。具体例は、抽象的な知識と現実世界を結びつける「フック」の役割を果たします。
  • やってはいけない勉強法:
    • 監査リスクの定義「監査人が、財務諸表に重要な虚偽の表示が存在するにもかかわらず、不適切な監査意見を表明するリスク」という言葉だけを覚える。
  • 公認会計士試験での具体的な実践方法:
    • 監査論: 「監査リスク」を学ぶ際、「急成長中のITベンチャー企業」を想像し、「この会社の固有リスクは何か?(例:収益認識)」「内部統制はしっかりしているか?(統制リスク)」などと、具体的なシナリオを当てはめてみる。
    • 租税法: 所得控除のルールを学ぶ際、架空の人物(例:年収500万円のサラリーマン、配偶者と子供あり)を設定し、実際に彼の所得控除額を計算してみる。
    • 管理会計論: 活動基準原価計算(ABC)を学ぶ際、テキストの例だけでなく、「自分の家の夕食を作る」という身近な活動に置き換えてコストを計算してみる。
  • 自分の考え
    • 身近に感じられるような具体例を考えることが大切。どんな例を考えたかメモを残しておくといいかも。

8. デュアルコーディング(Dual Coding)- 言葉とイメージの二刀流で覚える

  • 科学的根拠: 脳は情報を「言語チャンネル」と「視覚(イメージ)チャンネル」の2つの経路で処理します。テキスト情報(言語)に加えて、図やイラスト(視覚)を一緒に使うことで、記憶の経路が2つになり、思い出しやすさが格段にアップします。
  • やってはいけない勉強法:
    • 文字だらけのノートやテキストをひたすら読み続ける。
  • 公認会計士試験での具体的な実践方法:
    • 企業法: 複雑な組織再編(合併、会社分割など)のスキームを、簡単な図やイラストで描いてみる。
    • 財務会計論: 連結範囲の変動など、複雑な資本連結の手続きをフローチャートで整理する。
    • 全般: 覚えにくい用語や概念に、簡単なイラストやシンボルマークを結びつけてみる(例:のれんの横に幽霊のマークを描くなど)。
  • 自分の考え
    • 図解を通して理解を深めることが重要だな。フローチャートも作りたい。

9. 睡眠の活用(Leveraging Sleep)- 記憶を整理・定着させる脳のゴールデンタイム

  • 科学的根拠: 睡眠は単なる休息ではありません。日中に学習した情報が整理され、長期記憶として脳に定着する(記憶の固定化)ための極めて重要なプロセスです。特に深い眠りの際に、脳は重要な記憶を強化し、不要な情報を削除しています。
  • やってはいけない勉強法:
    • 試験前日に徹夜で詰め込む(短期的な記憶にはなっても、すぐに忘れ、思考力も低下する最悪の手段です)。
    • 日々の睡眠時間を削って勉強時間を確保する。
  • 公認会計士試験での具体的な実践方法:
    • 寝る前15分を復習に充てる: 一日で最も難しかった論点や、覚えたい公式などを寝る直前に復習すると、睡眠中にその情報が優先的に定着しやすくなります。
    • 毎日7〜8時間の睡眠を確保する: 睡眠時間は「学習計画の一部」と捉え、絶対に削らないようにします。日中の集中力と記憶力が劇的に向上します。
    • 仮眠の活用: 日中の勉強で疲れたら、15〜20分程度の短い仮眠をとることで、脳のパフォーマンスが回復します。
  • 自分の考え
    • 寝る前15分の復習はどのように行うか。復習したい論点を数個勉強中に目星をつけておくことが大切か。iPadのブルーライトはどうやって防ごうか。

10. ポモドーロ・テクニック(The Pomodoro Technique)- 集中と休憩の強制的なリズム作り

  • 科学的根拠: 人間の集中力は、長時間持続するようにはできていません。意図的に短い休憩を挟むことで、集中力の質を維持し、長時間の学習を可能にします。また、「25分だけ」と区切ることで、学習を始める心理的なハードルが下がります。
  • やってはいけない勉強法:
    • 「3時間ぶっ通しで頑張る」と意気込み、1時間後には集中が切れ、スマートフォンを眺めている。
  • 公認会計士試験での具体的な実践方法:
    • タイマーをセットする: 「25分間は問題演習に集中し、他のことは一切しない」と決め、タイマーをスタートさせます。
    • 強制的な休憩: 25分経ったら、アラームと共に必ず5分間の休憩を取ります。この時は勉強から完全に離れ、立ち上がってストレッチをしたり、窓の外を眺めたりします。
    • サイクルを繰り返す: 「25分の集中+5分の休憩」を1セットとし、これを4回繰り返したら、15〜30分程度の長めの休憩を取ります。
  • 自分の考え
    • 25分ごとに教科を切り替えることが有効かも。3.インターリービングとの合わせ技的な。

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